〜太鼓に使用される木材の性質〜
名 称 
(漢字)
読み 比重 曲げ 
強さKg/cm2
耐 
久 
耐磨耗性 主 な 用 途 ・ 備 考 
赤樫
0.92 1,310 極大 ・長胴太鼓の胴、バチ、 木刀、拍子木などに使われます。 ご存知めちゃくちゃ硬い木です。とても硬い木ですので、これで作ったバチは丈夫ですし、インパクトのある音を発しますが、手首に与える衝撃が大きいです 。 腱鞘炎が心配でしたら、やわらかいバチを使用した方が良いでしょう。


0.67 965 ・バチに使用される。 ピアノやバイオリンに使用される楽器になじみの深い材料。英名はメープルで日本の楓は”もみじ”の別名をもちます。 楓には多くの種類があり、その樹液からシロップが採取出来る為、メープルシロップとして一般的に食用に供されているし、日本でもアイヌは楓の樹液から砂糖を採取していた。


0.52 700 ・長胴太鼓の胴。 常緑高木で関東以南に分布。日本でもっとも太く成長する樹木であり、特殊な香気を持ち、樟脳として知られている。 建築材、器具材、船舶材などに用いられる。台湾で訪問した太鼓店の材料ももっぱら楠が使われるようです。

0.62 1,010 ・長胴太鼓や締太鼓の胴に最高の材料とされています。その強さと耐久性の故でしょう。 ニレ科の落葉広葉樹で北海道を除く日本の各地に産する。高さが40mを越えるものもあり、古くから寺社の境内などに植えられ、御神木として崇められているものも多い。材は弾力があり、木目が特に美しい。
0.6 1050 ・バチに使用されます桜材は良質と言われ、目がつんでいるため昔は浮世絵などの版木として使われたそうです。樹皮は装飾用に使用され、昔の煙草入れの外皮等に使われていたのを思い出します

0.38 660 ・桶胴太鼓の胴。 耐久性の割りに比重が低いような気がします。つまり軽い割りに長持ちすると言うことでしょうか。 日本では杉は植林が行われた結果もっとも一般的な材木になりました。建築、家具、船舶用ほかいろいろ使われます。自作桶胴太鼓の材料としてDIY店で入手出来、加工も楽ですし値段も割合安いです。
栓 
(ハリギリ)

0.52 750 ・長胴太鼓の胴としてよく使用されています。家具などでもケヤキの代用として使用され、木目もきれい。北海道等寒い地域が産地で巨木に育ちます。DIYのお店ではあまり置いてないですね。

0.53 750 ・長胴太鼓の胴。 日本各地の山中に多く生育し長寿を誇る樹木。特に北陸地方には巨樹が多い。マロニエに極めて近い種とのこと


 
0.41 750 ・長胴太鼓の胴やバチに使用。 高級建築材として木造家屋や、ヒノキ風呂の浴槽に使用されます。独特の香りがあります。自作附締太鼓の張り合わせ胴に使ってみました。
ほお のき 0.48 705 ・バチに使用。 比重も低く、つまり軽くて太鼓のバチとしてよく使用されます。強打に割れることも多いのですが、その分手首にやさしいバチです。ほおの木は山間の地方では神様の木、神様が使う木として、伐採を禁じてい るところもあるそうです 。  
唐木 から
・唐木とかいて「からき」、または「とうぼく」と読みます。 聞きなれないですが、お仏壇とかに良く使われる銘木で、黒檀、紫檀と言った木材がこれにあたります。 むかし中国から高級家具などが日本にもたらされ、その際に使用されていた中国「唐」の木で日本になかったので、「唐木」(からき)と呼ばれる様になったらしいです。 実際には唐木の仲間には、多くの種類があり、産地は中国、インドネシア、ベトナム、カンボジア等の熱帯地域で、いわく水に浮かないほど目がつんでいて重く、硬い材質です。 家具などでは、硬すぎて釘が使えないため、すべてホゾを切って組み合わせて作るようです 。 残念ながら数値データーはありませんでした。和太鼓でも大太鼓(3尺以上)になると唐木を多く使用するようです
紫檀
(唐木)
したん




極大
・豆科の広葉樹。木質緻密にして、重、硬。木肌からバラの香りがするので、ローズウッドの別名あり。熱帯から亜熱帯地域で産出。磨くと綺麗な木肌をもつ。
黒檀
(唐木)

くたん
0.7
-
1.25
1,936

極大
・カキノキ科の常緑広葉樹。エボニー、ウブンボク、ウボク、クロキなどと呼ばれる。インドネシアを中心に東南アジア、アフリカに生育。非常に重く硬いので釘は使えない。乾燥比重1以上のものは水に浮かばない。ゴルフクラブのヘッド、仏壇などに使用される。
桐 
(比較用)

0.29 395 極小 ・桶胴太鼓の胴にも使用されます。 とても軽く出来るので担ぎ用に最適ですね。 自作にも加工がとても楽です。普通は箪笥や下駄に使用されます。 木目がきれいでとても軽い材質です。最近は中国製桐のスノコがスーパーなどで良く販売されています。
これをばらして桶胴太鼓の胴がとってもお安く作れます。

ブビンガ
 
0.94
   
 
   


・豆科の広葉樹で、カメルーン、ガボンなど熱帯地方で生育。木質は硬く、重い。加工は難しいが、粘りがあり、曲げに強い。和太鼓の胴や唐木の代用としても使用される。〜最近大きな太鼓にこのブビンガの木が使用されることが多いようです。
☆比重=1で水と同じ重さです。 赤樫は0.92とほとんど水と同じ重さです。 つまり重いです。 一方の桐は水の1/3程の比重でとっても軽いです。 だから下駄とかに向いているのでしょう。  
☆なにかに書いてありましたが、ヒノキは切り倒したときから、徐々にその強度を上げてゆき、300年で最強となるそうです。 で、その後は徐々に強度が低下してゆき、1000年で、切り倒したときの強度となるそうです。 木材の中でも抜群に長持ちする材料で、数百年〜1000年以上も経つ京都や奈良のお寺、五重の塔などは、このヒノキの強さに支えられているらしいですね。 大したものです